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Sunday「教えて!Dr.相談室 掲載記事 ⑥性行為感染症について」

2018年10月25日

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【case】 性行為感染症について

おりものの異常や外陰のかゆみを引き起こす「性行為感染症」には、以前解説したトリコモナス腟炎の他に、クラミジア感染症や淋菌(りんきん)感染症、性器ヘルベス、尖圭コンジロ-マがあります。

クラミジア感染・・・性行為後数日~2・3週間の潜伏期を経て、おりものが増え、時に少量の出血を伴い下腹痛を認めます。鼠径部(そけいぶ)のリンパ節の腫脹や熱感を伴うこともありますが、本症では無症状の方も多く、感染に気付かないまま放置すると卵管炎、腹腔内癒着を来して、不妊症の原因となることもあります。男性では、排尿痛や尿道の不快感が見られることもありますが、女性同様無症状も多いです。妊娠中のクラミジア感染は、切迫早産や新生児への肺炎、結膜炎を引き起こすため、公費負担で妊婦全員に検査を実施しています。治療は抗生剤の内服となりますが、夫婦内の性行為でお互いに感染させる「ピンポン感染」を起こすので、原則夫婦同時に治療をすることを勧めています。

淋菌感染・・・性行為後数日間の潜伏期を経て、白色のおりものが増え、時に少量の出血を伴い下腹痛を認めます。これらの症状は-般にクラミジア感染症よりも重く、腹腔内に膿が溜まると入院治療が必要となります。男性では、尿道の白色分泌物が増え、強い排尿痛が起きます。クラミジアとの重複感染もあるため、検査を実施します。治療は抗生剤を用いますが、薬剤耐性菌が増えていることから内服よりも点滴治療が-般的です。

性器ヘルぺス・・単純ヘルぺスウイルス( HSV)の感染によって、外性器に水疱や潰瘍などの病変が形成される疾患で、初発では特に症状が重く、潰瘍性疼痛のため排尿痛や歩行困難、発熱を来すことがあります。一度感染すると神経節に潜伏し長年にわたって再発を繰り返すため、初発時の丁寧な治療が重要です。女性では月経時に再発することが多く、チクチクするといった違和感を訴えることが多いです。免疫の低下に伴い、細菌性腟炎を併発するとおりものが多くなり、同時に治療する必要があります。治療は、抗ウイルス剤を初発では1 0日間、再発では5日間内服し、鎮痛剤や外用薬を併用することもあります。分娩時期に発症すると、産道感染により新生児の脳炎を発症する恐れがあり、慎重な対応が求められます。

尖土コンジロ-マ・・ヒトパピロ-マウイルスHPVの6、1 1型が感染し、数週間~ 3ヶ月間の潜伏期を経て、外陰・肛門周囲に乳頭状・鶏冠状・カリフラワ-状の疣贅(いほ)を認めます。外陰の違和感やかゆみ、疣贅に触れて気付くことが多いです。子宮頸部や腟内に病変が存在するとおりものが増えることもあります。診断は特徴的な皮膚病変から、視診だけでも十分可能ですが、悩ましい場合はバイオプシーによる病理検査を実施します。稀に自然治癒することもありますが、逆に広がることもあるため、出来るだけ早期の治療を勧めています。外科的治療には切除、C02レーザー蒸散法、電気メスによる焼灼法がありますが、多発している場合や妊娠中は切除や5-フルオロウラシル軟膏の塗布を勧めています。再発することがあるため、定期的な受診を勧めています。また、HPVは子宮頸癌(しきゅうけいがん)の発症とも深く関わっているため、子宮頸癌検診も勧めています。

教えてドクター(性行為感染症について).pdf

(2018年 10月掲載)

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